蹴鞠の奉納

鎌倉時代の説話集『古今著聞集』に収められた、藤原成通(ふじわらのなりみち。1097~1159?)という人物のお話「侍従大納言成通の鞠は凡夫の業に非ざる事」(巻十一 蹴鞠 410)に、梛の葉が登場します。

藤原成通は白河院の側近で、蹴鞠(けまり)の達人と謳われた人物。
藤原成通は、蹴鞠の技能向上を祈願するために何度も熊野を詣でたといわれます。

「侍従大納言成通の鞠は凡夫の業に非ざる事」より一部を現代語訳。

また、熊野(本宮)を詣でて、うしろ拝(後ろ向きに参拝すること)の後、うしろ鞠(後ろ向きに蹴鞠をすること)を蹴られたところ、西より100度・東より100度の2回、合わせて200回上げて落とさなかった。

鞠を伏し拝んで、その夜、西の御前(本宮第一殿。本地仏は千手観音)にお参りしたときの夢に、別当や常住のみな見知った者どもがこの鞠を興じてほめあっていたが、別当が「どうしてこれほどの美技に対して褒美の品を与えないことがあろう」と言って、の葉を一枝、奉った、という夢を見た。

夢から覚めて見ると、ほんとうにの葉が手のなかにあった。そのの葉をお守り袋に籠こめて持たれていた。

藤原成通、ただ者ではありません。

元記事は「蹴鞠の達人・藤原成通:熊野の説話」。